中央大学 小松研究室(生命分子化学)

研究紹介

蛋白質を用いたバイオマテリアルの開発
我々は生体内で多彩な機能をつかさどる "蛋白質" を機能階層的に結合・組織化することにより、これまでに類例のないバイオマテリアルをつくる研究に取り組んでいます。例えば(ヘモグロビン-アルブミン)クラスターは「人工血液」の開発に新しい突破口を開き、先端医療の分野で様々な応用が期待されています。また、望みの機能をプログラムした中空シリンダー構造の「蛋白質マイクロ・ナノチューブ」を合成することにも成功しました。新しい捕捉・分離剤、薬物輸送体としての応用展開が進んでいます。

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人工血液の開発

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ヘモグロビンに血漿蛋白質であるヒト血清アルブミンを結合した新しい人工酸素運搬体(ヘモグロビン-アルブミン)クラスター(製剤名:HemoAct)を開発しました。現在、医学部との共同チームでその安全性と有効性を評価しています。遺伝子組換えヘモグロビンを使うことで、機能を自由に制御することも可能です。
arrow J. Phys. Chem. Lett. 2017, J. Phys. Chem. B 2018 など

動物(ペット)用人工血液の開発

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ペット用の人工血液も開発しています。遺伝子組換えイヌ血清アルブミンやネコ血清アルブミンを合成し、ヘモグロビンと結合することでイヌ用HemoAct、ネコ用HemoActをつくりました。また、JAXAとの共同研究(国際宇宙ステーションでの実験)によりイヌ・ネコアルブミンの結晶構造解析に世界で初めて成功しました。
arrow Sci. Rep. 2016, J. Mater. Chem. B 2018 など

蛋白質マイクロ・ナノチューブの開発

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多孔性ポリカーボネート膜を利用した鋳型内交互積層法により、蛋白質マイクロチューブ、ナノチューブを合成することに成功しました。チューブの内孔空間にはB型肝炎ウイルス、インフルエンザウイルス、大腸菌などが効率よく取り込まれます。最内層に酵素を配置すると、基質の加水分解やラクトンの開環重合も起こります。
arrow ACS Nano 2010-1 & -2, JACS 2011, Chem. Comm. 2014 など

蛋白質マイクロチューブモーターの開発

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内孔壁に白金ナノ粒子やカタラーゼを配置したマイクロチューブが水中で酸素バブルを噴出しながら勢いよく自走することを見出しました。磁石で引き寄せたり、ねらった物質や微生物のみを運べるマイクロキャリアとして使えることが実証されています。蛋白質のみからなるマイクロチューブモーターは高い生分解性を示します。
arrow Chem. Eur. J. 2017, ACS Appl. Nano Mater. 2018 & 2019

ポルフィリン超構造体の開発

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4つのピリジル基を有するポルフィリン誘導体がPd2+イオンを介して二量体(ダイマー)や高分子量体(ファイバー)を形成することを見出しました。いずれの超構造体も強く発光します。分子カプセルや分子ワイヤーとしてはもちろん、光触媒、酸素貯蔵体、電子輸送体などとしての応用が期待されています。
arrow Chem. Lett. 2014 など